可愛いけど、除去します^^;;

女将

2018年06月26日 08:42

先週、乗鞍自然保護センターや自然保護レンジャーの皆さんとご一緒に、
外来植物の除去作業に行ってきました
のりくら高原本来の植生を守るために、年に何回も実施されています。


今回は Mt.乗鞍スノーリゾートのゲレンデ内に繁殖してしまったある植物がターゲットでした


その植物は、、、キク科の「オオハンゴンソウ」です
環境省の「特定外来生物等一覧」にも記載されています。
見た目は黄色の愛らしい花なのですが、繁殖能力がとても強い困った外来種です。



外来植物の除去作業は、花が咲いて種が散布される前に行うのが効果的なようです。
本当は花が咲いてからの方が分かりやすくて作業しやすいのですが、より確実に除去するために、開花前に葉で選別します。
初心者の女将も先輩に教えていただきながら、一面の緑の中から この葉っぱを一生懸命探します
よく似ているヨモギなどの葉と間違えないように、そして根から確実に採るように心がけます。



1株1株、根から丁寧に取り除いたら、そのまま放置しておいてはいけません。
根っ子が残るとまた生えてくる可能性があるのです! 
今回は花が咲く前の時期を狙って作業していますので、種を飛ばす心配はありません。
なので、この写真では葉の部分は切って土に戻し、根は細いヒゲの先まで完全に回収するように区分けしています。根をゴミとして処理しなければ、再び根付いて繁殖する可能性があります。とにかく強いんです、彼らは。。



こちらは数年前の作業、高原内の平原に繁殖してしまった「ハルザキヤマガラシ」の除去作業の様子です。
この植物は「生態系被害防止外来種」 に指定されています。
これとよく似た在来種の「ヤマガラシ」は畳平周辺で夏に観察できます。
外来種に負けずに、何とか生き残って欲しいものですね



こちらは昨年の初夏、一の瀬まいめの池で地元の方々が作業をしていた時の写真です。
池の中に入って、ドロドロに汚れながら駆除していた外来植物は・・・・


この「キショウブ」 黄色いアヤメです。
こちらも「生態系被害防止外来種」 に指定されています。
水辺の生態系に影響を与えてしまうことが心配です。


可愛い花だな〜、綺麗だな〜、と思っても、心を鬼にして外来植物を除去作業をするのは、強い繁殖力により、のりくら高原の在来植物の植生を脅かす という悪影響があるからなのです

道路が整備され、多くの人が住み、便利になるのはとても有難くて、たくさんの恩恵もありますが、人や車が多く往来するということは、環境の変化をもたらしたり、本来の植生以外のものが持ち込まれてしまう という危険性を常にはらんでいるのですね。
在来の動植物を脅かすものを持ち込まないよう、皆で気をつけていかなければならないようです。お客様にもご協力とご配慮をお願い致します。


のりくら高原の美しさをいつまでも楽しめるように、子供たちに引き継げるように 女将たちもコツコツ活動しながら・・・皆様のご来訪をお待ちしております



<アン>


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