

皆さんは「天空」という言葉を聞いた時、どんな景色を思い浮かべますか?
この時期「天空」と言えば、女将が思い描くのは 真っ白な乗鞍岳の頂きと 稜線から続く美しい雪の斜面

そう!バックカントリーの世界です

今回はそんな世界に興味を持たれている方、乗鞍岳ではまだ登ったことないよ〜

※画像は先月までの過去のものを使用しています。
女将は安全のため天候の良い日にしか登りませんので、晴れの画像が殆どですが、
風雪により敗退した経験もあります。
山での行動は自己責任を念頭に、安全に冬山を楽しみましょう


バックカントリースキー・スノーボードと言えば、山のデッカい斜面を颯爽と滑るイメージがありますね。ダイナミックな滑りと満足感に満たされる至福の時が待っている。。。
女将もそんなイメージに憧れていましたが、実際はなかなか難しいものでした

ゲレンデでのように管理された斜面を滑走するのとはまるで違う!ということを毎回痛感させられます。日頃からゲレンデで様々な雪質や斜面に慣れて鍛練しておくことが必要ですね。

魅力は滑りだけではありません。厳冬期の3000m峰に登るということは、見たこともないような素晴らしい景色や自然の造形に出会うことでもあります。
こちらの写真は、剣ヶ峰山頂のあの鳥居が樹氷に覆われた光景です


標高約2500mの位ヶ原では、雷鳥の雄たちが越冬しています。
こんな姿を見ることが出来たら、辛い登りでも元気が貰えそうな気がします


乗鞍岳は風が強いことでもよく知られています。
岐阜県側から吹き荒れる風が雪の斜面に作り出す風紋

こんな自然の造形に見惚れてしまうことも。。。
では、ここからは、実際にMt.乗鞍スノーリゾートのリフトを利用してバックカントリーに行った様子をご紹介しましょう。

乗鞍岳の山頂や稜線、位ヶ原山荘へは、スキー場の最上部からつながる このツアーコースを進むのが一般的なルートです。ここで、十分な入山準備をしてからスタートします。
もちろんビーコンスイッチもオンにします


樹林帯の中のツアーコースは、晴れていれば、美しい乗鞍岳や穂高の峰を眺めながら登る素晴らしいルートです。
でも、雪質は日々変化しますし、滑走時にコントロールを失い樹林に激突するなど、怪我や事故の事例がありますので、注意が必要です


ツアーコースを登りつめて位ヶ原に上がると、絶景と強風が待っています

冒頭の写真のような乗鞍の稜線の眺めと、北側の穂高の峰々の眺めは、見逃せないこの時期だけの美しさです。

厳冬期に山頂剣ヶ峰に登頂することは、強風や雪の状態により難しいことも多いので、摩利支天岳や富士見岳の稜線からの滑走を選択するケースがあります。
これは富士見岳の山頂より少し下、不消ヶ池の横を通る夏の登山道付近から高原を見下ろした光景です。
エコーラインの2号カーブの上の斜面辺りになりますので、秋には紅葉の絨毯が敷き詰められる所。そんな季節の違いにも想いを馳せて眺めます


滑走の前には、雪崩の危険がないか ピットチェックを行います。
雪崩に関する知識がない方は、必ず信頼できるガイドさんに同行してもらったり、入門者向けのツアーに参加して、経験と知識を積み上げましょう。スノーシーズンに向けて開催される雪崩の講習会を受講するのも役立ちます。
また、厳冬期に必要な装備は高額な物もあるので、初めはガイドさんからのレンタルなどで使い方を習得し、自分に合ったメーカーや機種を選んで買うのがお薦めです


大きく深呼吸して集中力を高め、いざ斜面に滑りだします!
向こうに聳えるのは、左から 剣ヶ峰〜蚕玉岳〜朝日岳〜摩利支天岳です。
乗鞍の極上のパウダーを巻き上げて滑るスキーヤーがカッコイイですね


至福の1本を滑った後、振り返ってシュプールを見るのも楽しいです♫
真っさらな山肌に自分のシュプールを刻む醍醐味、病みつきになりますよ!
もっと上手く滑れるように頑張ろう、また滑りに来たいな〜 そんな気分です


どんなに好天の日でも、急な天候の変化の可能性は常にあります。
白い雲が稜線を覆ってきたら、この先の行動、ルートの変更や撤退の判断が必要な場合があります。そういった判断もガイドさんと一緒ならば安心ですね。

厳冬期も営業している標高2350mにある「位ヶ原山荘」
冬に乗鞍に登るスキーヤー、スノーボーダー、そして登山者の皆さんの心の拠り所となっています。宿泊はもちろん、休憩してお昼ごはんやコーヒーをいただくことも可能です。
この後の位ヶ原山荘の営業予定は次の通りです。
4月1日(日)までは連日営業
4月2日(月)~6日(金)、9日(月)~13日(金)は休業
14日(土)以降はまた連日営業。本格的な春山シーズンに突入です。
※ただし、営業中でも1週間に1度は、平日に仕入れのため下山します。
天候や予約状況により何曜日に下山するかは変わってきます。
宿泊希望の方は、予めご予約くださいね


乗鞍岳に登る場合に提出する「登山計画書」を投函するこの黄色い登山ポストは、Mt.乗鞍スキー場の最下部にあります。松本方面から県道84号を進んで行き、最初にスキー場の斜面が見えるT字路に立っていますので、こちらで投函されてから、行動を開始しましょう。
スキー場外のバックカントリーには、厳冬期の山で必要となる装備とそれを使いこなす経験・技術が必要です。また、自然の地形の中を滑走する技術、雪崩に関する知識も要求されます。条件を備えていない方の入山は、大変危険です。プロのガイドさんに同行願うなど、自己責任において安全に登山されますよう、お願い致します。
「乗鞍大雪渓WebSite」
こちらは毎週のように現地で取材をしてくださっている方による情報サイトです。
直近の様子を知ることができますので、参考になさってください。
雪崩の発生箇所などについてまとめたマップも提供されています。
ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末~4月末>ー乗鞍大雪渓WebSite
Mt.乗鞍スノーリゾートは、4月8日(日)まで営業予定です。それ以降は、リフトが利用できませんので、スキー場内の区間も自力で登ることになります。
また、「乗鞍岳春山バス」の運行開始後はそちらを利用して、位ヶ原山荘までアクセスすれば、登りの負担は軽減されます。
最後に。。。。
ここ数年「バックカントリー」というカッコイイ言葉の響きに誘われるように、
十分な装備や訓練をせずに、勘違いされたまま入山されるケースがあるようです。
技量や経験不足を自覚される場合は、必ず山岳ガイドさんと一緒に行動しましょう。
位ヶ原山荘のHPに記載されている注意事項をご一読の上、入山してください。
冬季(12月から4月)に入山する皆様へのお願い
厳冬期の乗鞍岳、厳しさと美しさが同居する冬山の魅力に溢れています

自己を過信することなく、頼れるガイドさんと一緒に登ることをお薦めしています。
のりくら観光協会公式HP ガイドのページ
無事に下山されたら、温泉に浸かって疲れを癒してくださいねv(^o⌒)-☆
宿泊の方は予約されたお宿でお楽しみください。
温泉がない宿の場合や、日帰りの場合は、日帰り温泉のページをチェック!
<画像提供:八田哲史、アン>